Exhibitions

  • 個展

辻村史朗 –壷と茶碗–

1999.1.1 Fri

茶道資料館(京都)

辻村史朗 –壷と茶碗–
  • 辻村史朗 –壷と茶碗–
会期

1999年1月

ご挨拶

茶道資料館ではこれまで、茶の湯の歴史を踏まえつつ、茶道美術を多面的に捉えた展観を催してまいりました。
ことに昨秋開催致しました「交趾香合」の展覧会は、中国福建省南部の山間の小さな窯が発見され、そこでこれまで不明であった日本伝世の交趾香合が焼かれていたことが判明したことを受け止めたもので、来館の多くの方々に、貴重な体験であったというお言葉をいただきましたのは、誠に嬉しいことでした。

そして新春、この度は現代日本の陶芸界にあって、近年愛陶家の間で高い声価を得ている辻村史朗さんの壷と茶碗の展覧会を開くことになりました。

辻村さんは二十二歳で奈良市郊外水間の地に陶房を開いて以来、ひたすら轆轤をまわし続け、信楽や伊賀の作風を基調にした焼締めの壷や花生・水指、また井戸・志野・瀬戸黒・唐津などの風をうけた茶碗などを造っておられ、就中辻村さんの作陶の原点は茶碗にあったことを、過日御本人からお聞きしました。また、作品の数は数十万点に及ぶことも知りました。それは、辻村さんの心の内にある理想の「何か」を追い求めての日々がなさしめたところであったようです。現代社会にあって、これほど自分の念を貫いている人は稀であると思います。

茶道資料館では、そうした辻村さんの姿勢に共感を抱き、ここに「辻村史朗-壷と茶碗ー」の展覧会を催すことになりました。多くの方々が御鑑賞下さることを願う次第でごさいます。

平成十一年一月
茶道資料館